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トランプ大統領、B.スプリングスティーン、ビヨンセ、ボノらに対して大規模な調査を要求 大統領選挙でハリスを支援するために買収されたという根拠のない噂を繰り返す

2025/05/20 13:25掲載(Last Update:2025/05/20 16:45)
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Bruce Springsteen
Bruce Springsteen
ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)がステージ上でドナルド・トランプ米大統領への批判を続けていることを受け、トランプ大統領は、2024年の大統領選挙でスプリングスティーンやビヨンセ(Beyoncé)、U2のボノ(Bono)らスーパースターたちがトランプの対立候補であるカマラ・ハリスを支援するために買収されたと主張し、「大規模な調査」を行うようSNSで要求しています。米Varietyは「証拠を示さず、根拠のない噂を繰り返している」と報じるなど、米国のメディアの多くは、発言内容は事実ではないと報じています。

スプリングスティーンは新しいツアーにて、ステージ上でトランプ大統領とその政権に対して「アメリカは、現在、腐敗し、無能で、反逆的な政権の手中にある」などと厳しい言葉を口にしています(詳しくはこちら)。

この発言はトランプ大統領の怒りを買い、ボスのことを「岩のように頭が愚か」で「干からびた『プルーン』のようなロッカー」と罵りました。

スプリングスティーンはその後も批判を強め、最近のコンサートで述べた以下の発言は、彼のウェブサイトにも掲載されました。

「今、世の中では非常に奇妙で、おかしな、そして危険なことが起こっている。アメリカでは、言論の自由の権利を行使し、異議を唱える人々が迫害されている。これは今、起こっていることだ…選ばれた議員の大多数は、不適格な大統領と、ならず者政府の権力濫用からアメリカ国民を守ることに失敗した。彼らは、真のアメリカ人であることが何を意味するかを理解しておらず、何の関心も考えも持っていない」

これら発言を受け、トランプ大統領は新たに、スプリングスティーン、ビヨンセ、ボノ、U2、(俳優、テレビ番組の司会者兼プロデューサー)オプラ・ウィンフリーなどが「2024年のカマラ・ハリスの選挙キャンペーンイベントに出演するために金銭を受け取った」と主張し、「大規模な調査」を行うよう要求しました。

トランプ大統領は、自身のTruth Socialに投稿し、次のように書きました:

「カマラ・ハリスは大統領選挙キャンペーン中のブルース・スプリングスティーンのひどいパフォーマンスにいくら払ったのか? もし彼が彼女のファンなら、なぜその金を受け取ったのか? それは重大かつ違法な選挙献金ではないのか? ビヨンセはどうだ?…そしてオプラとボノにはいくら渡ったのか??? この件について大規模な捜査を要求するつもりだ。候補者は推薦のために金を払うことは許されていない。カマラは、エンターテイメントの支払いを装ってそれを行ったのだ。これは彼女のまばらな聴衆を人工的に増やすための、非常に高価で必死な努力だった。それは合法ではない!これらの愛国心に欠ける『エンターテイナー』たちは、壊れたシステムを悪用する腐敗した違法な手段で利益を得ただけだ。この件へのご注目に感謝します!!!」

続けて、別のTruth Socialの投稿で、トランプ大統領は「ニュース報道によると」(ただし、具体的なニュース報道を引用していない)、ビヨンセについては「ステージに上がり、すぐにカマラを支持し、1曲も歌わずにブーイングを浴びながら立ち去るだけに1100万ドルを支払われた」と主張しました。続けて、「民主党とカマラは、カマラを全面的に支持した以外何もしていない彼女に、違法に数百万ドルを支払ったことを覚えておいてほしい。これは最高レベルの違法な選挙詐欺だ!違法な選挙献金だ!ブルース・スプリングスティーン、オプラ、ボノ、そしておそらく他の多くの人々は、説明すべきことがたくさんあるだろう!」

米ビルボード誌によると、2024年に、その1100万という数字が初めて浮上し、ソーシャルメディアで広まった際、ファクトチェック機関は、その主張を裏付ける証拠を発見できませんでした。またビヨンセの母親は当時、この主張を完全にでっち上げだと否定しました。

2024年の大統領選挙キャンペーン以降に公開された財務記録によると、ハリス陣営はオプラ、レディー・ガガ、ケイティ・ペリーといった著名な支持者を招いた集会やイベントに多額の費用を費やしたことが明らかになっています。しかし、ニューヨーク・タイムズ紙によれば、これらの著名人は無償で出演しており、資金はサポートスタッフや制作費に充てられたとのことです。

アイルランド国籍のボノは、2024年の米大統領選挙で候補者を支持したり、いかなる選挙キャンペーンイベントにも参加しませんでした。